文章の編集方法
1、編集の枠組み
~ 編集されるもの ~
「編集」ということばを聞いて、どのようなことを連想されるでしょうか。一般的には新聞や雑誌、テレビ番組などの編集者がしている仕事のことについて「編集」といわれます。
しかし、雑誌や本をつくることだけではなく、「編集」ということばには広い意味合いがあります。どのように広いかというと、人間が生まれてからことばや動作などを覚え、それらを使って意味を組み立てていることには、編集作業が関連していると考えられます。
例えば、ある日、病院のお医者様から心臓ペースメーカーを植え込むことを宣告されたとします。そうすると、それまでは自分の身体に何の関連も無かったものを自分と関連づけていくようになります。
電車のホームで「ペースメーカーなどに影響を及ぼす恐れがあります」とアナウンスされていたことを記憶から引き出して考察します。また、電子レンジやテレビなどの電磁波についても大丈夫だろうかと考え出します。
また、個人で海外旅行に行くことになった場合、それまではほとんど知らなかった土地の文化や情報を集めて時間割を作ったり費用の算段を立てたりします。
このように、あれこれと生活するうえで周辺に散乱している情報を必要にしているのが編集作業です。新聞や雑誌、映画の編集者などがしている作業は編集であるとともに、日常生活において、現存する情報を自分と関連付けていくような仕組みも立派な編集作業であるといえるでしょう。
●編集についてのポイント
・広義の編集は、出版や映像などの編集者の仕事
・狭義の編集は、人が意味を組み立てる作業
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周辺に散乱している情報を意味のあるものに組み立てていく
~ 求められる能力 ~
編集は、人間の表現活動や認知活動、メディアによる情報の組み立てやまとめ、法律の制定内容など幅広く含まれます。人間の意識や認知も編集作業であり、スポーツや音楽も編集であるといえますが、それらは他者との「コミュニケーション」と密接に関わっています。
コミュニケーションの根本は、「文化」と「文脈」が大切にされています。
文脈といえば、文章に書かれた意味を想定されることが多いのですが、広義には会話や出来事、そのときの状況による判断などを情報の文脈として考えることができます。
情報の文脈、いわゆる物事の背景や筋道という情報をできるかぎり活かした状態で分かりやすくまとめ、伝えることが編集作業に求められます。
文化については、国や言語の違いだけを指すのではありません。ロングスカートが流行ったかと思えばミニスカートが流行るというように、その時代に応じた感覚も文化であるといえます。
時代背景の例をあげると、工業や機械の発達も文化です。昔は炊事や洗濯が手作業でされていましたが、時代とともに家事が機械化されました。文化は日を追うごとに進化しています。
進化していく文化のなかでも、プラトン、モーツァルト、夏目漱石など、時代や世代を越えて注目される思想や作品などがあります。編集過程においては、伝承的な波及性を敏感に感じ取り、後の世代にも残るような情報を読み取る必要性があります。
編集において大切なことは、さまざまな事実、事態、現象などを雑然としておかず、それらのあいだに隠れている関係を発見することです。その関係を発見し、それらをつなげて行く過程において、多様な視点から事象をかたち作るという創造的な能力が求められます。
●編集に求められること
・文化や時代の流れを把握する
・情報を構成している文脈をとらえる
・多様な情報に注視する
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情報と情報をつなぐ関係性を見つける
~ 編集者の仕事 ~
編集の仕事は本を作ることですが、書籍ができ上がるまでには多くの過程があります。まず、どんな本を出版するかという企画を考えるところから始まります。どのような読者を対象とするのか、誰に原稿を依頼するのか、デザインやサイズはどうするか、発行する日はいつか、クライアント(広告主)はどうするか、価格はどれくらいにするか、などというように商品としての発行物として内容を具体的に企画していきます。
企画ができたら、編集部でその内容が適切かどうかの検討を行います。編集会議によって、多面的な視点から意見を出し合い売れる商品づくりをすることができます。企画が通ったら、執筆者に原稿を依頼します。編集側がいくら緻密な企画を立案していたとしても、執筆側にその意図を伝えていなかったとしたら企画は机上の空論となってしまいます。
執筆者へ原稿を依頼するときは、編集側がどのような意図をもって依頼したか、求めている内容はどのようなものか、などの要素を執筆者にできるだけ具体的に伝えることが大切です。
本の魅力は読ませる文章だけではなく、見せるデザインも大きなポイントです。同じ文学作品でも、従来の厳格なカバーを新装し、有名なイラストレーターの絵を表紙にしただけで話題性と売り上げが向上したという例もあります。
このように、効果的な体裁に仕上げるためにはイラスト、写真、図、カラーなども大きなポイントです。デザイナーと打ち合わせをしたり、イラストレーターやカメラマンに依頼したりするのも編集者の腕前にかかっているといえます。










